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クラミジアの感染で卵巣ガンのリスクが高まる?

2020年03月06日

2018年に開催された米国がん学会(AACR)の総会で、クラミジアと卵巣がんの関連性についての研究結果が発表されました。卵巣がんは女性の卵巣に発生する癌で、罹患率は40代以降で高くなります。他の癌と比べて罹患率自体は高くありませんが、高齢で発症すると死亡率が高いことが知られています。

以前から性感染症と卵巣がんの罹患率には関連があると言われていましたが、はっきりとしたデータはありませんでした。米国国立がん研究所のTrabert氏とStadtman氏は、数種類の性感染症と卵巣がんの関係について調査を行いました。研究ではポーランドにおいて2000年~2003年の間に卵巣がんと診断された278人の女性と、対照群の556人が比較されました。これらとは別に、調査期間中に新たに卵巣がんに罹患した160人の女性と対照群159人のコホート内症例対照試験で比較が行われました。ちなみにコホート内症例対照試験は疫学的な研究で用いられる手法のひとつで、特定の条件(ライフスタイルなど)と病気の罹患率などを比較する調査方法です。

療法の試験グループにおいて、過去に性病(クラミジア)に罹患したか否かを調べるために、両方の試験集団でpgp3抗体の有無が調査されました。pgp3抗体とはクラミジアに感染すると体内で作られる抗体で、過去にクラミジアに罹患した人でも検出されます。ポーランドで実施された調査によって、卵巣がんの発生因子に数種類の性病感染が含まれるか否かが明らかになります。この研究ではクラミジア以外にも、他のいくつかの性病の感染因子についても比較が行われています。

研究の結果、B・C型肝炎やヒトパピローマウイルス・単純ヘルペスウイルスなどのいくつかの感染因子の中で、クラミジア感染だけが卵巣がんの発生因子であることが判明しました。クラミジアに感染することで、卵巣がんが発現する確率は約2倍でした。クラミジアに罹ると生殖器官が炎症を起こしますが、完治した後も長い年月が経過して癌が発現するリスクを高めてしまうことがわかります。

女性が性器クラミジアを発症すると完治後も不妊症になる恐れがありますが、卵巣がんのリスクを高めてしまう危険性もあります。抗菌薬を服用して治療することができますが、将来に癌になるリスクを高めないためには感染を予防することは非常に重要です。複数のパートナーと性行為をする女性は、感染予防のための対策を講じるようにしましょう。