悩んでいる男性

性器クラミジアは日本で一番感染者数が多い性病といえますが、性器・泌尿器以外に咽頭部(のど)の粘膜にも病原菌が感染する場合があります。これを咽頭クラミジアといい、これに感染すると風邪をひいたりインフルエンザに罹った時に、扁桃炎や咽頭炎を起こします。感染経路には、口を使った性行為やディープキスなどがあります。逆に咽頭部から性器や眼球などの他の粘膜に病原体が伝染するケースもあり、気づかない間に他の人や自身の他の場所に伝播してしまう場合があります。

咽頭クラミジアの感染経路は?

咽頭クラミジアの感染経路ですが、女性の場合はオーラルセックスで性器からのどに病原菌が伝染するケースが多いようです。性行為以外でも、口から口に病原菌が伝染して感染が起こる場合もあります。軽いキス程度では他の人にうつる心配はありませんが、ディープキスをした時に口を通して病原菌が咽頭部の粘膜に感染してしまう恐れがあります。

性器クラミジアに罹っている人のうち、咽頭部の粘膜に病原体が検出されるケースが多くみられます。性器クラミジアで性病クリニックに受診した患者の中で、男性の1割、女性の3割が咽頭部にも病原菌が感染していたという調査結果があるほどです。特にオーラルセックスを行う性風俗店に従事する女性の間で、感染率が非常に高いことが知られています。性風俗店に従事している人以外にも、複数の男性とオーラルセックスをしている女性や男性の同性愛者でも感染率が高い傾向が見られます。

海外での感染率は男女でほぼ同じですが、日本国内では男性よりも女性の方が感染者が多いという特徴があります。これは、日本では若い人の間で避妊の必要のないオーラルセックスを行う人が多いという事情が関係していると考えられています。他にも日本人の正行動様式や性風俗のサービスで、病原体の感染経路となる環境が整っていることも関係しています。

咽頭クラミジアは性器や他の部分の粘膜から病原体が伝染しますが、逆にのどの粘膜から他の部分に伝染する場合もあります。オーラルセックスの際に、咽頭部から相手の性器に病原菌が伝染するケースは少なくありません。オーラルセックスを行う性風俗店のサービスを利用した男性が、女性から病原菌をうつされる場合があります。

クラミジアは性器と咽頭部で別に感染が起こるので、性器や他の部分の粘膜から本人の咽頭部の粘膜に病原菌が伝染するケースもありえます。逆に、自分ののどから他の部分の粘膜に病原体が伝染してしまう場合も考えられます。例えば咽頭クラミジアに感染している人が、コンタクトレンズを唾液で濡らして装着することで眼球に無症状のまま病原菌が伝染するケースがあります。もしも眼球の粘膜に病原菌が感染すると結膜炎を起こし、治療をせずに放置すると失明する危険があります。

咽頭部に限らず性器や他の部分も含めて、クラミジアの病原菌は非常に感染力が強いという性質を持っています。病原体は粘膜の細胞内に寄生しているので、射精をしていなくても粘膜が触れるだけで簡単に伝染が起こってしまいます。HIVであれば、皮膚に傷がないと病原体が侵入して感染することはありません。これに対してクラミジアは、皮膚に傷がなくても粘膜同士が接触するだけで伝染してしまいます。クラミジアはたった1回の性行為でも感染してしまう場合があるほどで、感染予防をすることは非常に大切です。

クラミジアの病原菌(クラミジア・トラコマティス)は非常に弱い細菌で、宿主(人間の細胞)を離れると短時間で感染力を失ってしまいます。そのため感染者と粘膜が直接接触する性行為や、病原体が寄生している粘膜の細胞が含まれる体液と触れない限りは伝染が起こることはありません。粘膜が直接的に接触するのは性行為やディープキスなどに限られており、日常生活では他の人にうつる心配はありません。病原体は空気中や水中では生きることができないので、空気感染や入浴施設・プールなどで伝染することはないといえます。

咽頭クラミジアにはこんな症状があります

咽頭部(のど)の粘膜にクラミジアの病原菌が感染しても、免疫力が弱まっていない限りは無症状で気づかない人がほとんどです。のどの粘膜にクラミジアが感染しても普段は無自覚ですが、風邪を引いたりインフルエンザに罹った時などに炎症が起こる恐れがあります。他にも免疫力が弱くなると、扁桃炎や咽頭炎を何度も繰り返すケースも少なくありません。

咽頭クラミジアの症状で多いのは、咽頭炎や扁桃炎を何度も発症することがあげられます。咽頭炎や扁桃炎を発症すると、のどの腫れ・発熱・発赤・腫れなどの状態になります。炎症を起こすと非常に強い痛みを感じるので、水を飲んだり食事をとることができなくなる場合もあります。免疫力が回復すると、これらの症状は収まりますが、治療をしない限りは病原菌は粘膜に感染した状態が続きます。そのため、クラミジアに感染していることに気づかずに何度も扁桃炎や咽頭炎を発症して高熱やのどの痛みなどの症状に苦しむことになります。

罹患した場合の、のどの強い痛みや発熱・腫れなどは、風邪やインフルエンザに罹った時でも普通に見られるようなものばかりです。発熱や腫れなどの症状だけで、咽頭クラミジアに感染していることを見分けることはできません。扁桃炎や咽頭炎などを発症してもクラミジアに気づかないケースが多く、本人が気づかない間に性行為やキスなどを通して他に人にうつしてしまう恐れがあります。

風邪をひいたり何らかの原因で一時的に体の免疫力が弱くなった場合に、のどの粘膜に雑菌が繁殖して咽頭炎や扁桃炎を発症する場合があります。炎症を起こした際に病院や診療所で診察を受けると、クラミジアに気づかずに雑菌が原因で炎症を起こしていると判断されて3日分の抗菌薬が処方されるケースがほとんどです。数日分の抗菌薬を服用すれば炎症が収まって症状が改善される場合がありますが、クラミジアの病原菌は死滅せずに引き続き粘膜に残存し続けます。

もしも咽頭クラミジアに感染した場合に再発を防ぐためには、病原体が完全に死滅するまで抗菌薬を服用して完治させる必要があります。咽頭炎や扁桃炎で診察を受けても、医師がクラミジアに感染していることに気づかないケースが多いです。そのため、何度も咽頭部の強い痛み・発熱・発赤・腫れなどを繰り返して悩んでいる方は、性病クリニックなどで検査を受けてみるようにしましょう。

咽頭クラミジアは発症しても、自然に症状が収まって治癒したかのように見える場合があります。それでも抗菌薬を服用して治療を受けない限りは、病原菌が粘膜に感染し続けて自然治癒することはありません。複数の人とオーラルセックスをしたり感染が疑われるような行為を経験したことがある人は、性器だけでなくて咽頭部の粘膜についてもクラミジア検査を受ける必要があるでしょう。検査を受けてのどの粘膜がクラミジアに感染していることが判明したら、すぐに治療を受けて完治させることが大切です。

クラミジアの病原体は細菌(クラミジア・トラコマティス)なので、いくつかの種類の抗菌薬が有効です。初期の性器クラミジアに罹った場合は1週間程度で完治させることができますが、咽頭クラミジアの場合は性器の場合と比べて約2倍の治療期間が必要です。性器クラミジアのようにジスロマックを服用しても病原菌を完全に死滅させることができないので、完治させるためには他の抗菌薬を服用する必要があります。